カゴ釣りは付け餌と同時に撒き餌の入ったカゴで狙ったタナにピンポイントで撒き餌を撒くことができ、付け餌と簡単に同調させられます。
また、多くの魚が好むオキアミを餌に使用するため、仕掛けやタックルを調整すれば小物なら大物まで幅広いターゲットを狙うことができます!
この釣りでは竿・リール以外にも小物類が多くありますが、必要な道具一式についてもれなく解説したいと思います!
今回の記事では遠投カゴ釣りに必要なタックル・仕掛け類を紹介していきます。
なお、伊豆などの地域によっては両軸リールを使用したタックルが主流です。
こちらは遠投性にも優れ、本格派に好まれる釣りですがそれなりに練習も必要となります。
一方でスピニングタックルでのカゴ釣りは手軽で扱いやすく、より難易度が低いです。
タックル
竿
カゴ釣りでは遠投用の磯竿を使用します。
竿の号数は3~4号から選べばOKです。
私はどちらの号数も持っており状況により使い分けていますが、それぞれの特徴をまとめると以下のようになります。
- 軽量であるため、1日キャストを続けても疲れにくい
- 扱えるオモリ号数は10号程度まで
- 飛距離は最大でも60m程度となり遠投性は少し劣る
- ロッドパワーは60cm程度のマダイ・青物相手には十分に対応可能
- 3号竿よりも重く、フルキャストを続けると結構な疲労感がある
- 15号までのオモリを遠投でき、飛距離はセッティング次第では100mも狙える
- ブリクラスの青物が掛かっても対応可能
どちらも一長一短ありますが、最初の1本を選ぶとしたら私は4号竿をおすすめします。
その理由は遠投性に優れており、ポイントを広範囲に探れるためです。
まずは魚が居るところまで仕掛けが届かなければ勝負にならないので、飛距離を優先すべき考えます。
遠投カゴ釣りには以下のような遠投タイプと記載のある竿を選ぶと良いです。
- 全長[m]:5.30
- 仕舞寸法[cm]:103
- 自重[g]:370
- 錘負荷[号]:10~15
- 適合ハリス[号]:3~10
- 全長[m]:5.20
- 仕舞寸法[cm]:120
- 自重[g]:390
- 錘負荷[号]:10~15
- 適合ハリス[号]:4~10
- 全長[m]:5.20
- 仕舞寸法[cm]:122.5
- 自重[g]:385
- 錘負荷[号]:10~15
- 適合ハリス[号]:4~10
リール
リールはスピニングのカゴ釣り専用のものがあります。
割と大型のリールになるため太いナイロンラインを十分巻けるキャパシティがあり、巻き上げ力もパワフルです。
ダイワのクロスキャストが一番安価ですが、重量は600g以上あります。
- 標準糸巻量 ナイロン[号-m]:6-200, 7-170, 8-140
- 自重[g]:640
- 巻取り長さ(ハンドル1回転あたり)[cm]:82
- ギア比:4.1
- 最大ドラグ力[kg]:15.0
キャストを一日続けていると疲労もかなり溜まるので、少し値段は上がりますが上位機種は400g前半くらいになり軽量でかなり楽になるのでおすすめです。
- 標準糸巻量 ナイロン[号-m]:6-275, 8-200, 10-150
- 標準糸巻量 PE[号-m]:5-225, 6-185, 8-140
- 自重[g]:445
- 巻取り長さ(ハンドル1回転あたり)[cm]:84
- ギア比:4.3
- 最大ドラグ力[kg]:12.0
遠投カゴ釣りを本格的に行いたい方におすすめのリールです。
ラインキャパシティが多く、ナイロン10号も150m巻けるので大型青物のカゴ釣りにも使用できます。
道糸
道糸は基本的にナイロンラインを使用します。
飛距離を伸ばすにはPEラインも有効ですが、特に初心者にはライントラブルが少ないナイロンラインがおすすめです。
またナイロンは力が加わるとPEラインよりも伸びるためクッション性があり、バラシを軽減できるメリットもあります。
カラーは視認性の良いイエローやオレンジがおすすめです。
ウキ
ウキの号数は後述するカゴの号数に合わせて決めます。
遠投性に優れた羽付きウキ
上部に羽が付いているタイプが、飛行姿勢が安定し飛距離を出しやすいです。
また視認性も良く、遠くのポイントでもアタリが分かりやすいです。
以下のウキが遠投性に優れており、カゴ釣りに向いています。
これらのようなカン付きタイプのウキは、ウキスナップを使用して取り付けると、ワンタッチでウキの交換ができて便利です。
ライントラブルに強い中通しタイプ
しかし強風時は、ウキに道糸が絡むトラブルが発生します。
これがカン付きタイプのウキの弱点です。
そのような条件では絡みづらくトラブルの少ない中通しタイプのウキを使用すると良いです。
シモリ玉・からまん棒
上記のウキを取り付ける前に、まずはウキ止め用のシモリ玉を道糸に通します。
穴の径により適合する道糸が異なります。
穴が大きすぎると、ウキ止め糸がすり抜けてしまいます。
ナイロン6号の場合は以下でOKです。
このシモリ玉の上にはウキ止め糸を結び、狙うタナを調整します。
このウキ止め糸は↓のものが使用中にズレることがなく、非常に良かったです!
他の種類のものは、摩擦が弱く、回収時にウキ止め糸がガイドに当たると引っかかってズレてしまうことが良くありましたが、これは全くありませんでした。
気づかないうちに位置がズレていると狙いのタナから外れ、その分釣れる可能性がグッと減るのでウキ止めの選択は非常に重要です。
そしてウキの下にはからまん棒を付けます。
これがストッパーとなるため、万が一キャスト時に天秤との結び目で高切れしてもウキのロストを防げます。
天秤・カゴ
天秤は腕の長さが20cm程度あると道糸とハリスの距離を取れるため、絡みにくいです。
私は↓の動画で紹介されている天秤の腕をワイヤーで延長し、さらに絡みにくくする方法を実践しています。
特にマダイ狙いの時など、長いハリスを使用する時は重宝します。
なお、道糸を天秤に結ぶ際はスナップ付きサルカンを使用すると天秤自体が回転することを防げ、ハリスが絡みづらくなります。
特に太めのハリスを使うときはそれ以上の強度があるものにするよう、気を付けましょう。
私は過去に適当なサルカンを付けていたら根がかり時に簡単にすべてロストしたことがあります。。。
各種カゴはこちらで紹介しています。
特に遠投が必要な場合はロケットタイプのカゴがメインとなります。
これは付け餌が付いた針をカゴの内部へ収納できるため、キャスト時に餌が外れるのを防止でき、安心してフルキャストできます。
足元から水深がある堤防など、ポイントが近い場合はステンレスカゴを使用する場合もあります。
このタイプはロケットカゴよりサイズが大きいものも選べ、一度に多くの撒き餌を撒くことが出来ます。
また取り付けるオモリの号数を自由に変えられるメリットもあります。
ハリス・針
ハリスのメーカーは特にこだわりはありませんが、↓の左のようなスプールが大きいものが巻き癖が少ないため、好んで使用しています。
号数は竿によって合わせます。
磯竿3号の場合はハリス3号以上、磯竿4号でハリス4号以上といったように竿の号数以上とすると竿の弾力を最大限活かしてヤリトリができ、バラシが少なくなります。
針は付け餌のオキアミが外れにくいケン付きものが使い勝手が良いです。
餌が付いていないまま仕掛けを流すのは完全に無駄な時間を使うことになるので、釣果アップのためには重要なポイントと思われます。
ターゲット別のタックル・仕掛けポイント
さて、ここまではカゴ釣りタックルの全般的なことについて述べました。
ここからは狙うターゲットに応じて、タックル・仕掛け選択のポイントを紹介します。
マダイ狙い
竿
マダイはある程度の水深(15~20m)がある場所を狙うことが多いため、15号程度の重めのオモリもよく使用します。
また深いタナが沖のポイントにある場合は遠投性も必要になり、4号竿の出番が多いです。
磯竿の中には長さが4.5m程度の短いのタイプもあります。
その分軽量になりますが、マダイ狙いではハリスを長く取ることが多いので5.3mの方が仕掛けをキャストしやすいです。
道糸
遠投性・強度のバランスを考えるとナイロン6号がベストです。
この号数なら15号のカゴ+撒き餌の重量をフルキャストしても切れることはありません。
ライン長さは200m巻いておくと、高切れした場合でも続行でき安心です。
カゴ
マダイはあまり煙幕の中には入ってこないので、オキアミを少量ずつポロポロと撒く方が有効です。
継続的に撒き餌を放出していき、付餌と撒き餌が同調するよう流せるとチャンスが広がります。
カゴの空き具合によって撒く量を調節できるタイプがおすすめです。
扉を絞り気味にすると一気に出ず、ポロポロと撒くことができます。
しかし閉めすぎると出ていかなくなるので、半分程度は開けておきます。
ハリス・針
ハリスの号数は4号を中心に、根がある場所や60cm以上の良型狙いの時は5号を選択します。
マダイはあまりコマセの煙幕に突っ込んでこない魚です。
ハリスの長さは3ヒロ程度と長めにすると有効ですが、長く取るとその分糸絡みもしやすくなるので慣れないうちは程々にしましょう。
針はマダイ針を使用します。
号数は8~10号あたりから選択すればOKです。
ワンポイント
特に冬の低水温期は水が澄んでいるため、撒き餌はオキアミ単体よりも集魚材を混ぜると濁りが出て魚の警戒心を下げられます。
集魚力もアップさせられ、低活性の時期でも本命を寄せやすくなります。
マダイ狙いが可能な釣り場
シマアジ狙い
竿
堤防など岸からのキャスティングで狙う場合は20~40cm程度が中心になります。
サーフなどの遠投が求められる場所では4号竿を用いますが、足元から水深があり、近くのポイントまで回遊が望める場所では3号竿でも十分です。
リール・道糸
マダイ狙いと同じく4500~5000番のカゴ釣り用リールに、ナイロン6号にしておけばOKです。
- 標準糸巻量 ナイロン[号-m]:6-200, 8-150
- 標準糸巻量 PE[号-m]:3-340, 4-260, 5-200
- 自重[g]:360
- 巻取り長さ(ハンドル1回転あたり)[cm]:104
- ギア比:5.8
- 最大ドラグ力[kg]:11.0
操作に慣れていれば、レバーブレーキ付きリールは青物特有の急な突っ込みに対応できるのでバラシ軽減に役立ちます。
カゴ
シマアジなどの青物はコマセの煙幕に突っ込んでくる習性があるので、一度に撒ける一発カゴタイプがおすすめです。
ダイワのジェットカゴは空気抵抗が少ない形状で遠投も効き、ある程度の量を一度に撒けるので良く使用しています。
針も中へ仕舞ってキャスト出来るので糸絡みも防止できます。
また狙いのタナは上層〜中層が中心であるため、それほど重いオモリは必要ないです。
6~10号の重さを中心に使用します。
ハリス・針
喰わせ重視で細めにする場合は2~2.5号、通常は3号がメインとなります。
コマセの煙幕に同調するよう、長さは1ヒロ程度と短めにしておきます。
針はチヌ針の3~4号を使用します。
ヒット率アップのため、複数の針が付いた仕掛けも有効です。
ハゲ皮付きのものは付け餌のオキアミが取られてもヒットが望めるためおすすめです。
ワンポイント
シマアジは口が柔らかいため口切れでバラシやすいことが特徴です。
そのためクッションゴムの使用がバラシ軽減に有効です。
またアワセのタイミングをワンテンポ遅らせて針を飲ませ、喉の奥に掛けられるとバラしが減ります。
しかしうまく奥に針掛かりするかは運次第なので強引なヤリトリは避けましょう。
シマアジ狙いが可能な釣り場
ブリ・ヒラマサ狙い
竿
大型青物であるブリ・ヒラマサ狙いの場合は、パワー重視で竿を選びます。
特にヒラマサの場合はメーターオーバーも釣れる可能性があり、根ズレしやすい磯場で狙うことが多いので5号竿も選択肢に入ります。
- 全長:5.20m
- 仕舞寸法:120cm
- 自重:430g
- 錘負荷:8~20号
- 適合ハリス:4~12号
- 全長:5.30m
- 仕舞寸法:120cm
- 自重:362g
- 錘負荷:10~20号
- 適合ハリス:4~10号
リール
太めのラインであるナイロンの8~10号を最低150mは巻けるキャパシティが必要です。
ブリ・ヒラマサのカゴ釣りを想定した専用モデルも販売されています。
カゴ
シマアジと同じく青物なので一度に撒けるタイプがおすすめです。
ロケットカゴや一発カゴの他、ヒラマサのカゴ釣りが盛んな山陰地方ではウキの役割も兼用となっている反転カゴが用いられています。
ハリス・針
ハリスは8号を中心に、根が荒い場所や1mを超える大型狙いでは10~12号を用います。
針は伊勢尼の10~12号を使用します。
ブリ・ヒラマサ狙いが可能な釣り場
マダイ・青物狙いではシラサエビが特効餌
カゴ釣りでは通常オキアミを使用しますが、活き餌であるシラサエビも有効です。
餌自体が跳ねて動くことにより、魚へのアピール力は絶大です。
オキアミよりも高価ですが、冬場などの低活性時にはヒットに繋げられる確率が高まります。
おわりに
用意する仕掛け類についての紹介は以上になります。
次回の記事ではタックル以外に必要となる小道具類を紹介していきます。
カゴ釣りに必要不可欠な装備や、あると非常に便利なグッズも紹介しているので是非ご覧ください!
遠投カゴ釣りのやり方やコツについても以下で紹介しています!
また小物狙いには軽量タックルでのライトカゴ釣りもおすすめです。