これまでの記事では遠投カゴ釣りに必要なタックルなどの道具を紹介しました。
今回は実際のカゴ釣りの流れを、釣果を伸ばすためのコツも交えて紹介します。
これからカゴ釣りを始める初心者の方や、釣果を伸ばしたいと考えている方は是非参考にしてください!
仕掛け・餌の準備
撒き餌のオキアミを解凍する
釣り場に着いたらまず撒き餌として使うオキアミのブロックを海水で解凍します。
カゴに詰めたオキアミが少しでも凍っていると、キャストして撒いた時に撒き餌が浮き上がり、付け餌と同調しなくなってしまいます。
撒き餌スコップなどである程度砕いて海水に漬けると、早く解かすことができます。
ダイワのスコップは柄が長く両手で持ちやすいため力を入れやすいです。
また先端は切れ味の良いステンレス刃先なので、凍ったオキアミブロックもザクザクと砕けます。
水深を測定し狙うタナを決める
特に初めて釣りをする場所では、道糸にウキと天秤まで取り付けたら、ハリスを結ぶ前に狙うポイントの水深の測定を行うと良いです。
水深が分かるとタナをセットする目安となり、狙いを絞りやすくなります。
測り方は以下のようにします。
- ウキ止めを適当な位置にセットする。全く見当がつかない場合はとりあえず5m程度の位置にする。
- 天秤にウキの号数よりも重いオモリを取り付ける。ウキには余浮力があるため+1~2号程度だと沈まない。ウキの号数+5号以上が理想。20号のオモリであれば使用頻度の高い15号までのウキもしっかり沈められる。
- 狙いのポイントにキャストする。ウキが沈んだらまだウキ止めの位置が水深よりも浅いので、深い位置にセットし直して再投入する。
- これを繰り返し、ウキ止めが水深以上の位置になるとオモリが着底してもウキが立たなくなり水深が分かる。
からまん棒の取り付け位置
ウキの下に取り付けるからまん棒は、ウキが天秤に干渉しない程度の位置にセットすると投入時にハリスがウキに絡むことを防止できます。
ハリスの巻き癖を取る
スプールに巻かれたハリスは多少糸癖がついています。
これを事前にまっすぐに伸ばしておくと投入時に絡みを防止できます。
また海中でもより違和感がなくなるのでヒット率アップも期待できます。
クーラーボックスの持ち手に結束バンドを付けておき、そこに針を引っ掛けると長いハリスも伸ばしやすいです。
針とカゴに餌をセットする
付け餌のオキアミを針にセットする時は、尾をハサミでカットすると付けやすいです。
ウニ切りバサミだとオキアミの形を崩さずにスパッと切りやすいため重宝しています。
切断力がある万能なハサミなので、使用感が良くおすすめのアイテムです。
付け方は基本的にオキアミの背中が外側にくるよう針に沿って刺していき、根元まで完全に隠れるよう付けます。
また、腹が外側にくる付け方もあります。
こちらは針から外れにくく、より餌持ちの良い付けかたになります。
比較的柔らかい生オキアミに有効な方法です。
カゴには撒き餌用のオキアミを入れます。
中に詰めすぎると出が悪くなるため、八分目までにしておくのがポイントです。
ロケットカゴの場合は撒き餌を詰めた後に、付け餌も中に収納してカゴを閉じます。
ハリスは専用のスリットから出すようにします。
仕掛けの投入
ハリスが絡んでいないことを確認して、キャストします。
投入後はウキの動きを見て潮が左右どちらに流れているか、また潮止まりなのか確認します。
時間によって流れる方向は変わるので、釣りをしながら常にチェックしましょう。
潮が速く、すぐに流される時は立ち位置の真正面よりも若干上流側へ投入するのが理想です。
他の釣り師の邪魔にならないか、位置関係をよく確認して投げましょう。
ただ、周囲が遠くのポイントを狙っていたらこちらにも遠投力が必要になります。
カゴの着水後に仕掛けが沈んでいき、ウキが立ったら大きく竿をシャクってカゴの中の付け餌と撒き餌を放出します。
あとはそのまま仕掛けを流していきアタリを待ちます。
撒き餌と付け餌が同調するよう、なるべくラインを引っ張らないように流します。
ラインメンディングして糸フケを取る
潮の流れがある時は、竿先からウキまでの道糸が徐々に潮に引っ張られて横方向に弛みます。
あまり弛みが大きいとアタリが出た時にアワセを入れても針まで力が伝わらず、フッキングさせづらいです。
道糸がウキまでなるべく一直線になるよう、時折竿で水面に浮かんだ道糸を持ち上げ、弛んだ分を巻き取ると、アワセを入れやすくなります。
ウキが動かないように修正できればOKです。
また混雑した釣り場では、隣の釣り人とオマツリしないためにも必要な操作となります。
仕掛けは流しすぎず、回収して投げ直す
カゴに詰めたオキアミは、カゴが開いてから1~2分程度で全て放出されます。
そして、重いカゴが付いた仕掛けは撒き餌のオキアミよりもゆっくり流れるため、次第に付け餌は撒き餌に置いて行かれ、同調しなくなります。
付け餌単体で流しても釣れる可能性は低いため、あまり長い時間放置せず再投入しましょう。
目安としては長くても5分までとなります。
頻繁に仕掛けを打ち直し、付け餌と撒き餌が同調している時間を伸ばすことが好釣果につながります。
ウキ止め糸のズレに注意する
仕掛けを回収する際、道糸に結んだウキ止め糸が竿のガイドを通る瞬間があります。
その時にガイドがウキ止めの結び目に引っかかり、ウキ止め糸がズレることがあります。
ウキ止めがズレていることに気付かないと、狙いとは違うタナで釣り続けてしまうことになります。
ウキ止め糸を巻き込む瞬間は竿と道糸がなるべく平行になるようにして、ウキ止め糸に力が掛からないようにするとウキ止め糸がズレるのを防げます。
なお、最初にウキ止め糸を取り付ける時は水で湿らせてしっかり締め込むようにしましょう。
以下のウキ止め糸がズレにくくおすすめです。
仕掛け回収後
付け餌の有無を確認する
海中の様子を知るのに最も重要なのが付け餌の状態です。
ウキがピクリとも動かないのに餌が無くなっていれば餌取りの存在を知ることができます。
針にオキアミの欠片のみ残っていたら餌取りの小魚である可能性が高いです。
撒き餌を使用する釣りなので、気付かないうちに餌取りに付け餌を取られている場合がほとんどです。
しかし取られ続けていた状況から一変、餌が急に針に残るようになったらチャンスです!
大物が寄ってきて餌取りが散っている可能性があるので、集中して同じタナ・ポイントを攻めましょう。
ハリスに傷が無いか確認する
餌を付けている時に地面に擦れたり、フグにハリスを噛まれたりすると傷が付き、せっかく大物がヒットしてもラインブレイクしてしまいます。
表面が光っていたり、指でハリスをなぞるとざらざらとした感触があるので分かります。
ダメージがあれば迷わず交換しましょう。
カゴ釣りでは1日の釣行で結構ハリスを交換することになります。
ダイワのエコバッカンは捨てるハリスを入れておくのに非常に便利です。
ハリス一度入れると中から飛び出すこともなく、風に飛ばされる心配が無いです。
また予備のハリスは十分持っておきましょう。
100m巻きのタイプはコスパも良く、ガンガン交換できておすすめです。
フグの存在はハリスのダメージ以外にも、針の塗装からも推測することができます。
赤色などで塗装された針がフグに齧られると剥げるので見た目から容易に判断できます。
アタリが来たら
餌取りにつつかれた程度ではウキに反応は出ませんが、本命のアタリが来ると遠投ウキがスッと海中に消えます。
この瞬間がとても胸が高まり、最も楽しい瞬間でカゴ釣りの醍醐味と言えます。
その時は焦らず落ち着いて、リールを巻いて糸フケをとってから竿を大きく煽ってしっかりとフッキングさせましょう。
なお、道糸にPEラインを用いたセッティングでは、伸びが少ないためナイロンよりも確実にアワセが決まります。
またラインの感度が高いことにより竿先までアタリが伝り、ウキが沈むのを見逃しても手元の感触で気付くことができます。
ヤリトリは竿を立てて弾力を活かしつつ、魚が走るタイミングでは無理に巻かずに耐えてじっくりヤリトリします。
最後のランディングは魚が40cm以上の良いサイズの時は無理に抜き上げず、タモを使いましょう。
大物が掛かる可能性も十分ある釣りなので、準備は必須です。
追加ヒットも狙う
餌取りと戦い、遂に本命の魚をゲットできた時は満足感に酔いしれます。
そしてこれまで攻めていたポイントにはまだ他の本命が居る可能性があり、チャンスタイムは続いています!
そのためすぐに仕掛けを再投入したいところです。
一旦釣れた魚の処理を後回しにしてすぐに再開できるよう、ストリンガーなどでキープしておきましょう。
釣ったマダイの腹が膨れている場合、浮き袋にエアが溜まっており泳がせてもひっくり返ってしまいます。
活かしてキープするなら専用のエア抜きツールで肛門近くの穴からエアを抜く必要があります。
サーフエリアなどではストリンガーは使えないので、その場合はキーパーバッカンの使用がおすすめです。
ただ大型の魚や青物は生かすのに向いていないためすぐに血抜きしてクーラーで保管しましょう。
最後に
以上、遠投カゴ釣りの流れとコツなどについて述べました。
細かいことも多いですが、一つ一つ積み重ねれば釣果アップにつながります。
是非各ポイントに意識を向けて、この釣りに挑戦してみてください!