イシダイ釣りではカニなどの甲殻類やサザエといった貝類など、様々な種類の餌が使用されます。
その中のひとつがガンガゼウニです。
一般的な食用のウニとは異なり、味は劣るため食用とはされていないのでイシダイ用釣り餌として各地の釣具店で販売されています。
この記事ではウニ餌の使い方や必要な道具について解説していきます。
ガンガゼウニのメリット
餌盗りに強い
ウニはそのトゲによって餌盗りから身を守れるため、特に高水温期に有効な餌です。
イシダイ釣りでは特に高水温期には様々な餌盗りが姿を見せます。
同じ底物であるイシガキダイのみならず、ブダイ・フグ・カワハギ・サンノジなど各種の磯に棲む魚もヒットします。
身が柔らかい貝類やカニではイシダイが餌を口にする前にあっという間になくなることも多々あります。
一方ウニ餌では餌盗りにつつかれるものの、殻に守られているためすぐに無くなることはありません。
最初は餌盗りに包囲されることもありますが、イシダイが近づくまで餌を持たせやすいのでヒットのチャンスが広がります。
比較的安価
釣具屋ではガンガゼは1個100~150円程度で売られており、サザエやヤドカリといった餌よりも安価に入手できます。
ただ、都心部のお店ではほとんど売っておらず、イシダイ釣りが盛んな地域に限られます。
また活き餌なので釣行前の在庫状況は要確認です。
お店によっては事前予約が可能となっています。
必要な個数は釣り場の状況によって変わりますが、1日釣る場合では多くても40~50個程度になります。
アタリがない時は20個でも余ることもあり、何個用意するかは悩みどころです。
しかし同じ釣り場に何度か通うと、だんだんと餌の消費具合が分かってきます。
私自身はとりあえずウニを20~30個程度購入し、餌が尽きた場合にも備えてカニ餌も購入したり、現地の磯で貝類を採ったりします。
イガイがあるような場所では、イガイ取り器が役立ちます。
安定した釣果
ウニ餌はイシダイ釣りでの実績も十分であり、安定して釣果を望める餌です。
そのため各地のイシダイ釣りで主流となっている餌です。
ウニ餌の付け方
ウニを針へ付ける手順としては、まず長いトゲをハサミで短くカットします。
ウニ切りはさみは切れ味が良く、サクサク切ることができ快適です。
なおバッカンから取り出す際はタチウオバサミがあると便利です。
ウニに特化したトングもありますが、外道のウツボなどが釣れた際にもロングノーズで安全に抑えさられます。
また後述する針へ付ける際にもこのタチウオバサミが役立ちます。
次に専用のウニ通しを殻の中心に貫通させ、先端にワイヤーハリスを引っ掛けて引き抜きます。
ウニの下面に口があるので、その中心からウニ通しが出ていることを確認しましょう。
最後に針先が殻の中へ隠れるよう押し込みます。
力を入れすぎると殻が割れて崩壊してしまうので、慎重に行いましょう。
通したワイヤーハリスで持ち上げ、上からタチウオハサミでトントンと軽く叩くとやりやすいです。
ウニは基本的には1個付けですが、餌持ちを良くしたり活性を上げたい時は2個付けにすることもあります。
下側の針が付いている方が喰わせ餌となり、上側のウニは撒き餌として活用できます。
その際は下側のウニの上面のトゲを短くカットし、2個のウニが密着するようにします。
また上側のウニにハサミで切れ込みを入れ、海中で中身が拡散するようにします。
最後にハリスにエサホルダーを通し、上のウニがズレないよう固定します。
餌の管理
活きたウニ餌は基本的に海水に浸けておきます。
釣具店から釣り場までといった少しの時間であれば水なしでも大丈夫ですが、釣り座に着いたらすぐに海水を汲みましょう。
そのため水汲みバケツは必須です。
イシダイ釣りは他にも色々と道具が多いので、コンパクトに折り畳めるタイプが良いでしょう。
ウニを入れるには大容量のキーパーバッカンが便利です。
主にフカセ釣りなどで使用され、魚を活かす目的の道具であるためエアーポンプのポケットも付いています。
トゲが長く嵩張るガンガゼですが、45cmタイプでは50~60個余裕で入ります。
なお、ウニは水に入れているとだんだんと紫色の汁を出してきます。
そのままにして水質が悪化するとウニが弱るため、1時間に1回を目安に水を交換した方が良いです。
イシダイのアタリ
ウニ餌の時はまずイシダイが殻を割る前アタリがあり、その後竿が海面に突き刺さるような本アタリが出ます。
餌盗りの場合は穂先が軽く揺れる程度のアタリだけが続き、殻に穴が空き中身のみ食べられたり芯だけ残ったりします。
本命の場合は餌盗りの時よりも強めの前アタリが出ます。
また芯まで食べられて針に何も残っていない時は底物の可能性が高いです。
ウニ餌のデメリット
遠投釣法には不向き
ウニは重量があり、空気抵抗も大きいため遠投はしづらいです。
遠くのポイントを攻めたい場合はサザエなど軽くてコンパクトな餌が向いています。
ウニ餌では足元やちょい投げ程度の範囲での釣りになります。
低活性時には喰いが悪い
殻に守られたウニですが、冬場の低水温期にはそれが欠点となります。
ただ、同時に餌盗りも減るので海の状況を見ながら、貝類など柔らかく喰い込みの良い他の餌も試すと良いでしょう。